金子みすゞ(かねこみすず)1903〜1930
1903(明治36)年4月11日、山口県大津郡仙崎通村(現長門市)生。童謡詩人。本名テル。1920(大正9)年、郡立大津高等女学校卒業。1923(大正12)年、下関西之端町商品館内、上山文英堂書店に勤務。同年よりみすゞのペンネームをもって「童話」「金の星」「婦人倶楽部」「婦人画報」などの雑誌に童謡を投稿。西条八十より激賞をうける。1926(大正15)年2月、同書店内に働く宮本啓喜と結婚。同年、7月の『日本童謡集』には白秋、八十、雨情、夢二らと並び、みすゞの「お魚」と「大漁」の二編が掲載される。しかし、創作に対する夫の反対にあい筆を絶つ。1930(昭和5)年、2月離婚。翌3月10日、娘を母親に托し、服毒自殺。享年26歳。
『金子みすゞ全集』金子みすゞ(JULA出版局/1984)
『わたしと小鳥とすずと』金子みすゞ(JULA出版局/1984)
『ほしとたんぽぽ』金子みすゞ(JULA出版局/1985)
【星とたんぽぽ】
青いお空のそこふかく、
海のこいしのそのように、
夜がくるまでしずんでる、
昼のお星はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ。
見えぬものでもあるんだよ。
ちってすがれたたんぽぽの、
かわらのすきに、だァまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ。
見えぬものでもあるんだよ。